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2006年9月15日 (金)

未視感

 『誰にも既視感は、発現するらしい。多発する人も居るらしい。但し総合失調症、昔風に言えば分裂病の発症の初期症状としても発生するとの事だ。最近は余りないが、初出を覚えていないから、相当昔だろう。とすれば分裂病発症の初期症状と言う事も無かろう』
 『もう少しだ。腹も減ったし、急いで帰りたい所だが、いつも通りダラダラと駅前を歩いて、家に着いたらシャワーを浴びて、ビールを一杯飲みたいものだ』
 『みんなそれぞれ、帰るところが有って、待っている人がいて、居ない人もいるか。それぞれそれなりにやっているのか』などと考えながら最寄り駅の改札にさしかかったら、未視感に囚われた。
 「いつも通るいつもの駅のいつもの改札口なのに、初めて見るような感じだ。東西南北がハッキリしない。体が軽くは無いのに、少しフワッとした感じがする。全体が少しくすんで見えて、磨りガラスを通して見えるような感じだ。最悪と言う事は無いが、あまり気分は良くない。勿論直ぐに元に戻る。もしかしたらこの感覚は電車に座っていて、ちょっと眠くなって直ぐ目が覚めて、一瞬電車の進行している方向が逆じゃないだろうか、と感じる瞬間と似ているかも知れない」などと考えながら歩いて駅を出た。タマネギを剥いているようだ、うーん、次々に絵柄の違うマトリョーシカを剥いている様だ。
 自分もこんな時は暗い、恐い顔で歩いているだろうから、人の事を言えた義理ではないが、みんな結構恐い顔で歩いている気がする。みんなでもう少し明るい顔で、出来れば笑みを含んだ顔で街を歩きたいものだ。
 「そんな恐い顔をこっちに向けないで」と今日は自分が言われる感じだったんだろうなあ。

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