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2007年1月14日 (日)

バスの乗り方(1)

金曜日の朝、いつものバス停にいつも乗る小学生が居なかった。

その小学生は、最近引っ越してきた風。最初の何日間かは父親がバス停に一緒に立っていた。小学生が乗って、手を振って別れた。父親は子供を見送ってからバスと同じ方に少し歩いて行くのがバスの窓越しに見えた。近くの交差点を渡るのだろう。道路の左側は歩道際にネットフェンスが延々と続いている。何か公共の施設の敷地である。

その日はそのバス停でいつもの一人を降ろして、少し広くなっているバス停を出た。少し走って信号待ちでバスは一瞬止まった。そこにいつもの小学生が、横断歩道を渡りきってバス停の方に向かって走ってきた。バスと見合う形になったが、バスはドアを開けなかった。次の瞬間、小学生は次のバス停を考えたのか、バスの進行方向に走り始めた。信号が変わりバスは出発した。バスは小学生を追い抜いた。全ては一瞬の出来事だった。声を掛ける暇もなかった。残像の中で事態を組み合わせて理解した感じで有った。

小学生はバスに乗り慣れていないのだろう。バスに手を振ったり、呼びかけたりはしなかった。だから最初の時父親がバス停まで送ってきていたのだろう。そう言えばバスカードを装置に差し込む手つきも最初の内ぎこちなかった気がする。

彼がバスに乗り遅れたのは、気の毒であった。運転者は横断歩道を走って渡っていた小学生が見えていただろうに。小学生は一瞬怯んだけれど考えて次のバス停に走り始めたのを見たときは、益々気の毒であった。自分はボンヤリしてバスに乗っていたのだろう。気付いたときには全ては終わっていた。

土曜日に遠出をして、海浜公園に行った。

久しぶりでその駅に降り立った。当時の事は余り覚えていない。駅はとても新しかった。駅前に立ってバス停を探した。少し離れたところに、バスが止まっていた。近づくと海浜公園行きだった。小走りにバスの入り口まで行って乗り込んだ。何人かが、バタバタと乗り込んだ。家内が「幾らかしら」「何分ぐらい走るかなあ」と小声で独り言の様に呟いた。

運転者さんが言った。「このバスは、11時5分発です。後10分ぐらいで発車します。海浜公園は終点です。15分ぐらい掛かります。料金は390円です。両替が有ったら、今の内にお願いします」家内は両替した。

窓越しの日を浴びて目を瞑っていると、ポカポカと気持ちが良い。バスは出発するまで又何人かが乗り込んできた。

バスは出発した。目を開けて前を見ると鞄を二つ持ったスーツの男性が手を振って走ってきた。バスは止まって、ドアを開けた。

「このバス、市役所を通りますか」「通りますよ」その人はバスに乗り込んだ。バスは走り出した。スーツの男性は運転手の側に座って、幾つか訪ねていた。市役所の次のバス停でその男性は降りた。「有難うございました」「どうも有難うございました」

海浜公園が近づいてきた。「次は海浜公園西口です。終点は海浜公園正面入り口と成ります」乗客は数人だったけれど親切なアナウンスが流れた。

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