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2007年4月15日 (日)

代理母

いつものように午後の散歩途中で、いつものベンチで一休み。

二十年ほど前に、ある女優が、名前はもう覚えていないが、出産が出来なくて、代理母に生んで貰って、実子認定の裁判か何かで結局だめだったような記憶が有るけれど、それについては、今はもう隔世の感がある。当時は未だ自分が生めないと言うのが前提に有ったようだけれど、今は、体型が崩れるとか、面倒だからとか、実際の理由は何でも良く、自由に代理母を使っている。ボランティアと称する人達が、コーディネーターの仲介で多額の現金を貰って、公然と代理母に成っている。肉親で代理母に成っている人たちもたくさんいる。妊娠してから逃げて自分の子としている人も後を絶たない。今の親子関係は複雑に成った。今の状態は自分のような老人には地獄の沙汰か畜生のなせる技にしか見えない。もう何年もしないで、自分は死ぬけれども、何世代か経過すれば学習してより良い事が、発見されて落ち着くところに落ち着く事を期待したいものだ。

近くの小学校の児童たちがやってきた。近頃の子供たちは自分が現役だった頃よりよっぽど開放的に成っている。何でも開けっぴろげに話をする、ある意味傍若無人である。我々が居ようと居まいと自由に発言して自由に遊んでいる。老人である自分たちは彼らにとって、木や岩などの自然物のように感じられていることも承知してしるが。我々の前に輪になって立ちながら、話を始めた。

「お父さんやお母さんの時代は、単純だったけれど、今は結構大変だよねえ」

「私の生みの親は叔母さんなんだ、最近はお母さんから言われたみたいであまり来なくなったけれど、前はよく家に遊びに来ていた。自分が部屋に居るとき、台所でそんな眼で娘を見ないで、あんたの子供じゃないんだから、と言うのが聞こえて、なんか複雑な気分だった」

「私の友達には生みの親がお祖母ちゃんと言う人がいる。本当のお祖母ちゃん子、聞いた話だと、妊娠しているときお祖父ちゃんはむやみに明るかったり、むやみに暗かったりしたらしい。もう死んじゃったって言っていたけれど」

「僕の生みのお母さんは誰か分からないんだ、自分はインドで生まれたと言っていたから、きっと生みの親はインド人だ」

「私は、姉妹がみんな生みの親が違うのよ。それも誰だか分からない。この間の夜なんか、お母さんが、どうもいまいち愛情が湧かない、とか勝手なことを言っているのが聞こえて来て、がっくり」

何も言わなかった子がここで発言した。「みんなは良いよ、人間だもんな、俺なんか豚から生まれたんだぜ、まるで猪八戒だぜ」

「おおっ」

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