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2007年6月30日 (土)

箍(たが)

田舎で小学校に通っていた頃、通学路に桶屋があった。戻りに道路に立って仕事場兼店先をボンヤリ見ていた事が何回か有る。職人も気にする風ではなかった。鉋屑がそこら中に散らかっていた。工具が壁に一杯掛かっていた。職人の手元にも幾つかが転がっていた。狭かった。木の匂いがした。

当時は何処の家も塩物を沢山漬けていた。山菜やら野菜、茸。秋までに沢山漬けて、冬の間はそれをきだしして(水に晒して塩分を抜く)食べた。ナスやキュウリは特に美味しかった。味噌や漬物も自家製で家の裏に有る小屋には木製の樽や桶が幾つもあった。きっとその職人の手になる物を使っていたのだろうと思う。

古くなると箍が緩んで、水漏れがする、容器として使い物にならなくなる。物に因っては修理をして使ったのだと思う。小屋の片隅には打ち棄てられた壊れた桶や樽の残骸が残って埃を被っていた。

小学校の高学年か中学生に成った頃から合成樹脂の大きな容器が安価で出回りだした。自分の田舎では木製の樽や桶の類は急速に減少した。自家製の発酵食品も塩漬け食品も急速に減少した、残念な事だ。作る量も格段に減った。一家族の人数が減ったことにも因るが、要するに時代が変わった。変わっていった頃は、ドンドン良くなって行っていた気がしたが、今考えるとそうでもない気がしている。得たものも多いが、失ったものも多い。桶屋も彼の代で店を閉めた。

その内、箍が緩む、箍を締める、箍を外すとか言う言葉も廃れて行くだろう。でも箍が緩んだような事件が減る事は無く益々増えるであろう。残念だけれど。失ったものが効いてきたのだろう。

ちょっとだけ上げてみると、誰が納めたのか分からなくなった年金の件数が5000万件もある~~保険庁。でたらめな食品会社、お菓子屋さん、車軸が折れるコースター、プールの蓋もしていない各種施設、爆発してしまう温泉施設。

自分の保険金、自分が食べるもの、自分の子供が乗る遊具、自分の子供が泳ぐところ、自分が入るお風呂、と思えば、簡単な事だと思う。その場が良ければよいと言うものでは無い。

自分も知らずに何かをやっているかも知れない、やるべき事をしていないかも知れないと言う一抹の不安を感じる。

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