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2007年9月 2日 (日)

おぼろ昆布売り

岩海苔、乾燥ワカメ、おぼろ昆布等は切らしたことがない。防湿のブリキ缶にいつもゴチャゴチャと入っている。海草類はよく食べる。これとは関係ないだろうけれど未だに髪はフサフサである。白髪は相当混じっているが。禿げる気配は微塵も無い。

海辺に遊びに行って土産物屋を覗くと各種の海草類がある。街では殆ど見かけることがないノゲノリなどを見つけると、つい買ってしまう。ついでに物色していて時々家に在庫が有るのに忘れて買ってしまう事がある。家に戻りブリキ缶を開けると、同じ物が有ってガックリする。麺類や汁物に入れて好んで食べている。ちょっと水に戻して醤油を掛けてご飯に載せて食べることもしばしばだ。

子供の頃には、行商の人が今より沢山いた。冬になると自分の家にも、おぼろ昆布売りの小母さんが来た。大きな茶箱のような箱を背負ってきた。上がり框に腰を下ろして、横に置いた荷を解き、量り売りした。家ではいつも荒っぽいおぼろ昆布を買った。何種類かの加工した昆布が有ったけれど、特別の事が無い限り、薄く幅広の折りたたまれた高級そうなおぼろ昆布を買うことはなかった。どれぐらいの金額だったかは覚えていない、多分2300円だったろう。もしかしたらもっとずっと安かったかも知れない。

その小母さんは1月に1回程度来ていた。母と世間話をした。楽しげであった。お互い昔からの知り合いだったのだろう。あの町から嫁いだ人かも知れない。自分にとっては遠い所だったが、隣町の人だった。多分世間話をしてお互いに知っている人の安否を尋ねたり噂話を確認したりしていたのだろうと思う。当時母より幾つか上だった。存命なら元気で居て欲しい。もしかしたらもう鬼籍に入っているかも知れない。

田舎から折に触れて食べ物が送られてくる。段ボールの隅に昔と同じおぼろ昆布が入っている事が有る。年老いた母が入れたものだ。自分の好みを知っている。有り難いものだ。小さい頃から食べていたものは、昔の情景も思い出させてくれる。今住んでいる都会のスーパーに売っているお上品な物とは違う。いかにも手作り風の不揃いで屑っぽいおぼろ昆布。

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