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2008年1月12日 (土)

初島旅行

30年以上前に初島に上陸したことが有る。上京して未だ1年も経っていなかった。久しぶりの気晴らしで兄と釣りに出かけた。車で移動しながら海岸線を物色している内に熱海港に辿り着いた。水が熱帯魚の水槽の様に澄んでいて、全く釣れる気がしなかった。それでも竿を出して暫く釣って居たのだけれど、実際全く引きはなかった。あーあと思っているところに、初島からの連絡船が直ぐ側に着岸した。じゃちょっと初島へ行ってみようか、と何の準備もなく渡った。今と違って、船は小さかった様に記憶している。

上陸して港の辺りを彷徨いた。釣り人が港に沢山いた。大部分の釣り人はメジナを狙っていたように記憶する。カワハギやアジなどは釣れていなかった。それで我々は竿も出さなかった。

港から坂道を登って島内に入ってゆく風だったが、クーラーやら竿やら持っていて、長靴だった。探検する格好ではない。来た船で折り返し熱海港に帰った。今考えてみると残念な事をしたと思う。当時は今よりよっぽど不活発だった。致し方ない。因って当時の島の様子は残念ながら分からない。ホテルは未だ建っていない、食堂街もなく、静かな所だったろう。

先日、思い立って初島に行った。

熱海で降りて商店街を通り過ぎる。きつい階段を下りた。何カ所か工事中の海岸通りを歩いて熱海港に着いた。もう乗船待ちの人が並んでいた。直ぐに乗って間もなく出航。揺れない船旅は好きだ。景色を見ながら、何かゆったりした気分、眠くなった。30分ぐらいで着いた。ゾロゾロみんなの後を付いて船から出た。港の前にある食堂街を歩いて適当な店に入った。何処も造作もメニューも同じ様な感じであった。ご当地らしいセットランチを食べた。ちょっと割高なような気がしたが、致し方ない。昼食後デジカメで写真を撮りながら、ダラダラと右回りで島内を巡った。30数年前に島内を巡っていれば感慨も一入だったろう。富士山がクッキリと見えた。

三分の二ぐらい巡った所ですれ違ったオバサンから、「もうすぐですか」と声を掛けられた。上り坂がもうすぐ終わるだろうかとの問い合わせだ。多分彼女にすれば未だ相当長い感じだろうと思うが「もう直ぐですよ、そこを曲がったら直ぐ、登りは終わりですよ」と答えた。

普段歩き慣れない人は、歩くだけで相当疲れる。登り坂が続けば、疲労困憊。他人に声を掛けて、あと道のりが少しである事を確認したいだろう。自分を励ましながら、歩を進めるのだろう。そのオバサンと話して間もなく、白い大きなホテルの前に出た。への字型で南面している。

真冬に23泊する、散歩する、本を読む、昼寝をする、新鮮な魚介を使った料理を食べる、夜はちょっとお酒を飲む、そんな静養をしたら、さぞかし心が安まる事だろう。

ブラブラ歩いていたら、蘇鉄が自生していた。よく見たら種がたくさん有った。黄色の粉っぽい花に手を突っ込んで種を5つ貰ってきた。帰って直ぐ鉢に植えた。発芽したら、外房の庭に植えて気長に大きくしたい。自分が尊敬する井上某の旧宅には大きな蘇鉄が有るそうだ。春になったらその蘇鉄を見に行こう。

島には数百年と思われる黒松の大木が沢山有った。風で折れている物も有った。無惨である。今はもう防風林の役目は卒業したのかも知れない。傲然と空に突きだして生えている様は、誠に力強く胸を打った、寂しくも有ったけれど。これを見ただけでも島に渡った価値は十二分に有った。

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