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2008年4月21日 (月)

かき氷の食べ方

小学生の頃、真夏に1回か2回、かき氷の出前を頼んで家族みんなで食べた。あんな美味しいかき氷を食べる機会ってもう無いと思う。

かき氷は近くの菓子舗のオジサンが出前をしてくれた。大きな岡持に入れて持ってきた。足の付いたガラス製の入れ物、昔はかき氷と言えば必ずその容器に入っていたと思う。スプーンは金属製。「冷たい」「甘い」「頭が痛い」「美味しい」だのと言いながら食べた。食べ終わって暫くすると、持ってきてくれたオジサンが静かに来て、母か父と少し話をして、容器を持ち帰った。

多分食べたのはイチゴかメロンにミルクが掛かっていた。何であんなに美味しかったのだろうか。食べる前にも、食べた後にも、かき氷の話題は無し。話題にすると後こんな機会が訪れないような気がして。まあ一種の言霊。

大人達は、それから又仕事、自分達は外へ遊びに行ったか、風通しの良いところで昼寝をした。アブラゼミが鳴いていた。夕方になって、薄暗くなり始めて、少し涼しくなるとヒグラシが鳴いた。

かき氷はどんな値段だったかは知らないけれど、とっても贅沢な食べ物だった。子供の頃、あれが食べたいこれが食べたいと何か要求した記憶は無い。そんな事はお金持ちの話だろう。自分達は、突然の幸運でかき氷を食べた。

高校生ぐらいになると、少しは小遣いが有り、夜特に暑いときは、かき氷を食べに行ったことも有る。それも菓子舗だったけれど、出前をしてくれた所とは違うところ。その菓子舗は夏になると、敷地に簾で蔽ったかき氷を食べる所を設えた。ブラブラ蒸し暑い薄暗い街を歩いて、小柄で頭の禿げたにこやかなオジサンが気さくに注文を聞いて、手で回すかき氷器でシャーシャーかき氷を作った。夜はもう秋の虫が鳴いていた。

崩れないようにスプーンで慎重に押さえながら、少し溶けている下のシロップがタップリの所にスプーンを差し込んで少しずつ食べた。きっと真剣な顔をしていたんだろうと思う。段々涼しくなって行き、食べ終わる頃はもう少し寒かったりする。最後は例のコップを持ち上げて最後の冷たい甘い水が多いかき氷を飲み干した。

ブラブラ歩いて家に帰る。夜寝てからお腹が冷えて、痛くなり、便所へ行ったことも有る。ああなんて贅沢で暢気な生活だったんだろう。

今?良い思い出がぶち壊れそうで、言霊のせいで?もう何十年もかき氷は食べていない。

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