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2008年4月 9日 (水)

塩鮭の食べ方

子供の頃塩鮭ばっかり食べていたので、多分普通の人が一生涯に食べる鮭をもう食べきってしまったと思う。

学校から帰ってくる、勿論家には誰も居ない、と言っても鍵が掛かっているわけではないから、普通に立て付けの悪い玄関の引き戸を開けて家に入る。土曜日なら弁当の無い日なのでお腹が空いている。風呂の中を覗いてみる。(風呂と言っても、湯船のある風呂場ではない、勿論これも風呂と言っていたが文脈が違うので混乱したことはない。多分、塗りおわった漆器を入れて乾かす室を転用したものか、それに似た形だから風呂と言っていたのだろうけれど、茶箪笥のような食器入れの様な全部木で出来た引き戸の付いた物入れである)

朝焼いた塩鮭がある。タクアンやその他の漬物も入っている。佃煮や筋子が厚い油紙に包まれてそれがペラペラの薄い板で作られた箱に入っていることもある。いじこに入ったお櫃にはご飯が入っている。朝炊いたもので真冬は冷たいが、それ以外は生ぬるくて、平気である。大きなお鍋にこれも朝作ったみそ汁が有る。

兄弟の誰かがいれば一緒に、居なければ1人で食べる分を出して、小さな折りたたみの足の付いたお膳を広げて、その上に乗せて食べる。何時も美味しいと言って食べた。食べているときに誰か帰ってくると、「たっちゃんは、何時も『美味しい』と言いながらたべているね」と言われた。

子供の頃未だガスは無かった。電熱線のヒーターは有ったが、真冬でも余り使わなかった。いつもの事なので昼には温かい物を食べたいとも思わなかった。

当時塩鮭は何時も塩引きと言っていた、今の辛口よりよっぽどしょっぱかった。休みの日に釣りや探検に行くときは、自分で弁当を作って持って行った。弁当にご飯を詰めて、その上に焼いた塩引きの一切れを乗せて脇に漬物を詰めた。後は保温じゃない水筒に水を詰めて持って行った。場所によっては飲める湧き水が有るので、それを当てにすることも多かった。その他にも塩引きを食べる機会は多かったから、全くよく食べた。

だからもうこれからは他の人の為に鮭は残しておこうと思っている。

村上の高級塩鮭はお土産で貰って、薄っぺらい切り身が真空パックになっている奴を食べたことが有る。家人が村上を通った時に値段を見たら本のちょっぴり、多分A6 位で1000円だったとの事。もう食べる機会は無いなあ、と言うより鮭は他の人の為に残しておくのだから、もう食べられない。土産で貰ったら普通に食べるけれどね。

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