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2008年11月 6日 (木)

魚の味

3年ぐらい前に或る動物園に行った。好きなペンギンを暫く見ていた。飼育員が来てバケツの魚をペンギンに与え始めた。ペンギンは喜んで次々に飛ぶように泳ぎ来たって、餌をくわえて飲み込む。とても美味しそうである。暫くして餌遣りは終わった。ペンギンは又何事もなかったように静かに成った。自分の中で原始の血がグツグツッと動いた。

次にアシカを見に行った。暫く見ていたら、飼育員が来てバケツの魚をアシカに与え始めた。数頭のアシカは円を描くように飼育員の前に現れては餌を貰い少し齧ってから美味しそうに飲み込んだ。それを何回か繰り返した。飼育員が帰ると又静かになり、先ほどのようにゆったりと池の中を泳ぎ始めた。どきどき見物人に愛敬を振りまく。自分の中の原始の血が又グツグツッと動いた。

自分は物欲しそうな顔をしていたらしく、側にいた家内が、「お腹が空きました?」と聞いた。未だお腹は空いていません。夕方まで見て歩き、その日は何と言うこともなく家に戻った。

一週間後無性に釣りがしたくなり、小田原新港に1人で釣りに出掛けた。昔ほど開放感が無いけれども、駅からも近いし、交通も便利で良い所だ。

市場と大きなお手洗いが有る岸壁で釣りを開始した。小魚が群で泳ぎ回っているのが見える。近くのグループはBBQをしながら釣りをしている。カタクチイワシもいるようだ。撒き餌をして群を寄せる。サビキに一投目から何匹も掛かって楽しい。布バケツに水を汲んで釣った魚を泳がす。230匹溜まってきたので玉網を掛けて汚れた水を捨てる。玉網を取ると、カタクチイワシがピチピチと跳ねる。先週のペンギンとアシカの光景がフラッシュバックした。

うっ、うっ、なんじゃこりゃ。

思わずその魚を捕まえて、口に運んでしまった。十分に食える。顔がにやけるのが分かった。続けて何匹も食ってしまった。その様子を近くのグループに見られて、彼らにドン引きされた。それでハッと我に返った。

釣り道具を放棄して、デイバッグだけ掴んでその場から逃げた。

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