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2009年3月23日 (月)

空飛ぶ夢

農村地帯。家が屋敷林に囲まれて数軒、数十軒ずつ固まっている。集落内に柿の木や栗の木が有る。高いところから見ると、田圃が海で、集落は島のようだ。島の周りは掘り割りに囲まれている。子供達は自分の島で遊ぶ。時には数人で偶にはもっと多い人数で、別の島に遊びに行く。

或る秋の日の午後、56人でいつものように自分達の島で遊んでいた。木造の塀の上から勢いよく塀を蹴って飛び出す。水泳のように手で空中をかいて空を飛び回る。高さは34メートル。上手く行くと78メートルまで上がることが出来る。その高さで飛び回るのは少し疲れる。風が吹くと煽られて体勢を崩して、沈んで行き地面におちてしまう。手をかくのを止めれば、ゆっくり足から降りることが出来る。

飛ぶのが未だ下手な子は、塀の上から飛び出して必死に手をかいて、足をばたつかせても、少しだけ上昇して、間もなくフワフワ下がっていって、飛び出したところから78メートルで、地面に落ちてしまう。

時には里山から、ススキの穂と一緒に風に乗って、集落まで飛んで帰る。雁のように先頭が時々入れ替わって、みんな明るい顔で飛ぶ。

子供の頃、朝早く起きては1人で塀から飛び出して飛ぶ練習をした。何回も何回も1人で練習をした。ある時、少し浮いて、45メートル先まで行って、地面に落ちた。駆け戻って塀によじ登り又勢いよく塀を蹴って飛び出したら、飛べた。やっと練習の成果が出て飛べるようになった。楽しくて暫くそこら辺りを飛び回った。夕方、母の「たっちゃん、たっちゃん、ご飯よ」と言う声で、目が覚めた。

その朝も、こつを掴んだ気になって、1人で塀から飛び出して空を飛ぶ練習をしたが、駄目だった。その内飛べないと言うことが分かった。飛べるのは夢の中だけ。残念だった。その挫折に比べれば日常の挫折なんてどうでも良いような気がしている。

長じてからは、空飛ぶ夢は見なくなった。偶に素晴らしいトランポリンの23倍の跳躍力が有る夢を見る。日の因っては地上から56メートル止まりだけれど、絶好調な時は20メートル位も上がることが出来る。空中で自在に体勢を変えて、地面に戻って又自由な方向へ飛び上がり空中で景色を見ながら自在に体の向きを変えて遊ぶ。途中から、「あ、夢かも知れない」と思うが、ああ、醒めないで。

近くの公園を1人で散歩して、小走りに数メートルの土手を駆け降りて、力一杯飛び上がってみるが、勿論560センチ飛び上がり2メートルぐらい先に落ちるばかり。夢との区別は付いてはいるんだけれど、ちょっと試してみる。上手く行って高く飛び上がれたときは、やはり夢の中。

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