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2009年4月 2日 (木)

柱時計

子供だからと言っても眠れぬ夜もある。自分が病んでいる時もあれば父母か、兄弟が病んでいるときもある。嵐で怯えていた時も有った。長い夜時計の音を聞いて過ごす。静かな夜、特に冬の夜はボーンと鳴る前に、ウーッと言うような低い音が聞こえる。何となく感に堪えない、とでも言いたげな、そんな風に聞こえた。

正時にはその数だけボーン、ボーンとなる、30分ごとに1回ボーンと鳴る。12時には12回鳴ったはずだが、そんな時は数えている内に意識が別の所に行って数えた数字と余韻を足して時間が解った。

中学生になって腕時計を買って貰った。それまでは唯一の時間を知る柱時計。長い間、数日に1回ゼンマイを回すのは自分の役目だった。仏壇の側に置いてあった踏み台を使ってゼンマイを回す。鉤を穴に差し込んでゼンマイを回すと、最後は少し固くなってギーギーという音がした。回し終わったら、溜め息をついて、鉤を振り子の下に置いて、踏み台を元に戻して、薄暗い座敷を通ってその場を離れた。当時の子供は忙しいと言うことは無かったから、忘れると言うことも無かった。

高校生の時、冬休みに友達の家に遊びに行って、泊めて貰った事が有る。 雪の深いところだった。夕食が終わって、雑談して深夜になった。大きな座敷に布団が1つ。布団の中に入って、ウトウトしたら、ボーンと柱時計が鳴った。「あ、柱時計だ」暫くして寝入った。

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