コウイカの骨
子供の時に兄の自転車の後ろに乗って海に連れて行って貰ったことが有る。多分お尻が痛いので、座敷から座布団を持って、荷台に敷いた。初めて見る町を通って海に着いた。眩しい日の光を見ながら、ハマナスが小さな防砂林の様に一面に咲く砂地を歩いて、波打ち際に着いた。綺麗な貝殻や小さな丸みを帯びたガラス片を時々小走りになって拾った。
小波がザザザーと打ち寄せる、何となく心地よい。持参の布の袋に大分溜まって少し重くなってきた。「有った」伝説のイルカの舌、5、6センチから12、3センチのイルカの舌。注意して歩くと次々に見つかった。自分の分を数個確保して、クラスの友達に上げる分として探す、5~6個追加で見つけた。
それから暫くの間、そのイルカの舌で、鉛筆の芯を尖らせて、字を書いていた。友達も自分も鉛筆箱に入っている鉛筆の芯はいつも尖っていた。
その内無くしたり、壊したりして、使わなく成りすっかり忘れた。中学生に成ってから、それがコウイカの骨だと言う事が解ったが、何故小学生の頃イルカの舌だと思ったかは未だに不明である。
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