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2010年2月 4日 (木)

少年と鮒取り

高校生の時、近隣の小学生3人を連れて鮒取りに行った。

数日前に雨が降った。前日散歩に行った帰りに、用水の横溢分を川に流す堰の下の水溜めに鮒の姿を確認していた。

土曜日の午後、フラッと外に出たら、近所の小学生が3人、近くの空き地で遊んでいた。内2人は兄弟。声を掛けると、取りに行きたいという。3人がそれぞれバケツを取りに家に帰った。自分は彼らがバケツを取りに行っている間に、家から叉手網を持って長靴に履き替えて空き地に戻った。

1キロ位の距離を3人は何やら話ながら、自分は黙って歩いた。田圃の中の2メートル位の道。真ん中は土が剥き出しで、外側に行くほど草が多く、両側にある小さな用水際は長い草。一団が進むとカエルが小さな用水に逃げ込む。

里山の縁についてそこからは里山を巻くように流れる用水の土手を歩いた。最後に小さなやや急な坂を下って、水溜めに着いた。数メートル四方で一番深いところでも50センチ位。前日より鮒が増えている感じがした。上には木が覆い被さって、やや暗く水の中は一部しか見えない。

水の吐き出し口の一段高いところから、掬い始めた。20センチ前後の鮒が数匹ずつ取れる。その度に、大中小を1人ずつずらして、それぞれのバケツに入れてやる。少年達は大喜び。水溜めの奥に逃げた鮒を取るために、自分は長靴を脱いで、ズボンをたくし上げて、未だ冷たい水に入って鮒を取る。少年達は益々興奮して、大騒ぎ、目がランランと輝いていた。それぞれに鮒十数匹とクチボソ、タナゴなどが配給された。取り終わってから、バケツから飛び跳ねないように立ち枯れた蘆を適当に折って、バケツの上に浮かべた。魚が一杯の重いバケツを少年達は何回も持ち手を替えて、時には地面に少し置いて休みながら、意気揚々と来た道を帰った。

もう何十年も昔の話だ。数年前に所用で帰省したときに、そこら辺を散歩したら、里山は荒れていたが、同じ様な地形で、用水は未だ、当時と同じように見えた。自分の少年時代の事が幾つか思い出された。

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