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2010年9月16日 (木)

電車の樟脳(2)

11月か12月の急に寒くなった或る日、電車の中は樟脳の香で満たされる。それに誰かの香水がアクセントと成って。そんな匂いが好きな人は良いけれど、伊藤の様に樟脳その他その類のもの過敏症に取っては、憂鬱な季節。混んでいる電車で、体の大きなオジサンが目の前に居る。大きなウールの厚い防寒着を着ている。それで伊藤の顔の辺りが押さえられる。それが強烈な樟脳の臭い。次の駅に着くまで3分間、さすがに息を止めてはいられない。涙ぐみながらなるべく吸わないようにする。次の駅で、兎にも角にも何事もなかったかのように、一旦降りる。別のドアから又乗り込む。さっきより酷かったりする。でもまあその季節は何処でも多かれ少なかれ、樟脳の臭いはする。少ないところを探して行脚する。そんな季節、スーパーでもデパートでも衣類売り場は敬遠。その階の階段を通っただけで、咽せ込んだり、クシャミ連発したり。長居は無用。

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