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2011年5月23日 (月)

タイムカプセル(4)

小学校の高学年の頃、タイムカプセルを作った。開けるのは何十年後という感じではなく、56年後位をボンヤリ考えていた。

小さな蓋付きの缶を使った。誰かから貰ったタバコのピースの缶だった気もするし、粉コーヒーの入っていた缶だった気もする。自分の名前と生年月日、埋めた日付の紙を入れた。自分の将来への希望もそれに書いた気がする。入れた物はうろ覚えだが、何かの小さなオモチャ、おまけに付いていた物かないしは安価なミニカーとかフィギアーの類だった気がする。後は丸と四角のメンコ、当時田舎ではパッチと呼んでいた。その缶を外側から油紙でグルグル巻にした。

埋めた場所は隣家の土蔵の軒下。やや平べったい石を退けて、缶の高さの倍ぐらいの20cmぐらい埋めて、元から有った平べったい石をその上に戻した。埋めた当初は気になって、時々見に行った。通りすがれば、見たりしたがその内忘れた様に成り全く気になることはなかった。

そのまま数年が過ぎ去って、その土蔵が壊された。何か忘れ物が有った気がして、佇んで見ていたら、タイムカプセルのことを思い出した。泥まみれのゴミの中に幾つか缶らしい物が有ったが、それらしい物は見つからなかった。錆びて腐って泥が浸入したのだろう。

自分のタイムカプセルの中身は勿論大した物は無かったし、将来の希望だって、田舎の小学生が普通に思う範囲を超えていたわけでも無いだろうから、どうって事は無いのだけれど、何となくちょっとした少年時代が壊され過ぎた気がした。あのタイムカプセルを予定通り見たら、今よりちょっと違った自分が有ったかなあ。

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