« バス停の小事件(1) | トップページ | バス停の小事件(3) »

2011年9月20日 (火)

バス停の小事件(2)

そのバス停の前は公園である。バス停のすぐ近くにお手洗いが有る。道路に車を止めてお手洗いを利用する人が居る。ポストもあるので、会社帰りの人が車から降りて郵便物を投函するのを見ることもある。その人達は用事が済めば、サッサと何処かへ行ってしまう。

その日は少し広くなっているバス停の前側にやや長い間白いセダンが止まっていた。ハザードランプが点いているわけでもない。運転者は乗っている。携帯電話をしている。電話の声は全く聞こえてこないが、車は動かない。

交差点を曲がってバスが接近してきた。注意していれば乗用車の運転者にも、バスの接近は充分解る。バス停の少し前に信号機が有る。バスは信号で止まった。未だ乗用車は動かない。信号が青に変わってバスが進入してきてバス停に止まった。バスは1人の乗客を乗せて、出発しようとした。クラクションを鳴らした。乗用車は動かない。もう一度クラクションを鳴らした。乗用車は動かない。バスはもう一度クラクションをならしたが、やっぱり乗用車は動かない。バスは仕方なく、一旦後退して乗用車を避けて発進した。

乗客からちょっと溜め息が洩れた。バス停に長い間停車して、バスが来てもバス停から避けず、そのまま携帯電話をし続ける、バスの乗客は、その乗用車の運転者に軽い不快の気持ちと呆れの感じを持った。特にそこで乗った乗客は、バス停に向かうとき、如何にも軽薄そうな中年がタバコをプカプカ吸いながら、携帯電話をしているのを見ていたから、一層不快であった。

そこから一つめのバス停は乗降客無く、二つめのバス停では降りる客が一人居た。停まってその客を降ろして、出発と言うときに、後ろからさっきの乗用車が可成りの速度で近づき、バスの真ん前に割り込んで急停車した。運転者が降りてきて、バスの運転手に言いがかりを付け始めた。

「いきなり大きなクラクションを鳴らして、初めは小さくすればいいじゃないか、それでも避けようと思ったのに、すぐ又クラクションを鳴らして、失礼じゃないか」

バスの運転手は呆れて物が言えない、とい感じであったが、乗用車の運転者は、

「いきなり大きなクラクションを鳴らして、大切な電話をしていたんだ、失礼じゃないか」

「避けようと思ったのに又クラクションを鳴らして人の神経を逆撫でして」

もう一回鳴らされて全く道を譲る気もなくなった、義憤を感じる」

「失礼じゃないか、どうなんだ」

バスの運転者は、道路交通法のことなど全く何も言わないで「解りました」と一言だけ言った。乗用車の運転手は「本当に解ったのか」と言った。バスの運転手は「解りましたよ」

乗用車の運転者は、不満げに乗用車に戻り、急加速してその場を去った。

~~~~~~

|

« バス停の小事件(1) | トップページ | バス停の小事件(3) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/119338/41657367

この記事へのトラックバック一覧です: バス停の小事件(2):

« バス停の小事件(1) | トップページ | バス停の小事件(3) »