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2011年9月22日 (木)

バス停の小事件(3)

そんなやりとりが有ったのも知らないで山下はバス停に着いた。バスの運転手は、出発直前に山下に気付いて、ドアを開けて、山下を乗せた。何事もなかったかのように、安全運転で案内をしながら、いつものようにいつもの人達を乗せて駅に着いた。

その間乗客のひそひそ話から、山下は乗用車の運転手が逆ギレして、バスの運転手に難癖を付けたらしく又、バスの運転手は冷静に事に対処したらしいことを知った。乗客の1人は、「あんな時は携帯で110番すれば良いのよ」と呟いていた。

駅で全員バスから降りるとき、一部始終を見ていた客が、「立派な態度でしたよ」と運転手に声を掛けた。運転手は少し照れた仕草をしながら「有難うございました」と言った。

山下は今の職場で何とか遣っている。今は厳しいから別の所を探すのは難しいと思っている。今我々の心が荒んで他人を思いやる心が失われ、身勝手な人間が増えた、等と言うつもりは毛頭無いが、やや遠慮がちな我々の日常の行動規範が、何となく廃れている気はしている。特に経済的に強い人達に身勝手な行動が増えた気がする、ちょっと残念だ、と山下は思っている。

そんな小さな事件に遭遇してから数日後、東北自動車道で、1人が死亡して12人の人が怪我をする事故が発生した。バスにトラックが追突、トラックの運転手が死亡したと言うニュースだ。乗用車を運転して、栃木から宮城にボランティア活動に向かっていた人が、自分の前にバスが割り込みそうになって、頭に来て、バスの前に割り込んで急停止したのがその事故の根本原因という。

遠慮して地味にやっと何とか生きている山下には信じられない事件だ。只自分も経済的に強い立場だったら、そんな事をする人間に成ってしまうのかなあ、とふと不安に成ることもある。

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