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2011年10月 6日 (木)

石炭拾って(2)

11月か12月我々は何処かの用水池で釣りをしていた。もうその年の釣りが出来る最終に近い日である。学校に居るときに示し合わせて、そこに釣りに行ったのだろう。初めの内は普通の天気で薄曇りだったがその内冷たい風が吹いて、小雨がぱらつき、白い物が風の中に混じった。何人かそのあたりに居たと思うが、2人は、どう言う経緯かは覚えていないが、その友達の家に行くことになった。釣り場は双方の家に同じぐらいの距離だったが、心理的には彼の集落に近かった。

釣り竿を持って里山の小路を歩いて、彼の集落に入って、彼の家に着いた。家人は誰も居なかった。まあ当時としては普通の事だった。寒いだろうと言うことで、彼は当時大抵の農家で使っていた、ブリキの薪ストーブにほたぎを入れて、新聞紙を丸めて入れて細めの薪を入れて、マッチで火を付けた。煙突から風が逆流したりして煙が上がるが中々火は点かなくストーブは暖まらなかった。暫くしして漸くほたぎに火が点き、薪にも少しずつ燃える気配が出て来た。そこで彼は、バケツに拾い貯めていた石炭を何個かそこに入れた。暫く石炭に火は点かなかったが、その内燃えだして、ストーブの扉の小さな空気調整口から空気を活発に吸い入れて、ゴーゴーと音を立てて、燃えだした。ストーブの一部が赤く熱した。2人の顔は輻射熱で赤くなり、濡れていた服を乾かして、小一時間ほどで自分は友達の家を出て、距離が倍に成った里山の道を一人で帰った、もう夕闇が迫っていた。

自分の家の近くを国鉄が走っていた。小学校から友達の家の間にその線路は有った。通常の道は踏切を1回渡るだけなのだが、彼は近道をして、鉄道の保線用の道を歩いて帰るときが有り、その時に線路の砕石の上に落ちている石炭を1個、2個と拾って帰り、貯めておいたと言っていた。

それを友達が来たから、より暖かいようにストーブにくべたのだ。心優しい友達。

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